アルゴリズムとかオーダーとか

仕事で勉強したことなどをまとめてます

Plasma 勉強会1回目の参加レポ

最近特にホットな話題となっているPlasmaの勉強会が開かれるということで早速参加してきました!
plasma-research.connpass.com
今回はPlasma勉強会の第1回目のレポートをまとめたいと思います。

また、参加メンバーのリアルタイムツイートについてもtogetterにまとめてますのでライブ感はこちらで体感してくださいw
togetter.com


申し込み後、抽選待ちとなり抽選結果が送られてくるまでドキドキしました。compassで公開されてから結構早めに申し込んだつもりではいたのですが、さすがの話題のPlasmaというだけありすぐに枠が埋まりそうになっておりギリギリに滑り込めた感じでした。

@UNOkovさん、このような素晴らしい勉強会を開催していただいてありがとうございます。
また、今回の勉強会では@UNOkovさんの提案でpostalk.ioによる情報共有もなされており、最終的な内容はこちらに綺麗にまとまっております。
Plasmaのpostalk.ioへのリンクはtogetterのまとめ内にありますのでそちらを参照ください。

今回は4名の方が登壇されました。感想を交えながらスピーチ内容をご紹介させていただきます。

一人目: 町野 明徳 @amachino

我らがHi-Ethereコミュニティ創設者の町野さんです!
町野さんは「Plasmaを理解するためのEthereum Protocolのキホン」というタイトルでスピーチされました。
speakerdeck.com

内容としてはEthereumの仕組み、とりわけState Channelとしての構造やBlockChainとして各Node間の同期の仕組みなどを詳しく説明していました。
Ethereumがスケーラビリティを担保するためにはブロックチェーンの状態遷移をどうやって最小限としていくのか?」という課題に対する理由や現状の説明として過不足なく非常にわかりやすい内容でした。
また、Ethereumってなんですか?bitcoinと何が違うんですか?という質問に対する説明としてもこのスライドで十二分に答えになるんじゃないのかな?とも感じました。

二人目: Osuke @zoom_zoomzo

Ethereumの最新情報を常に発信している@zoom_zoomzoさんです!このかたのブログにはいつもお世話になっています。文章量が非常に多いのですがなぜか読み始めたら疲れを感じずに一気に最後まで読めてしまう文章力はいつもすごいなぁと感心しております。
また、今回のcompassのページでも事前に読んでおいた方が良い資料としてブログが紹介されている通り、Plasmaに関してもいち早く研究と発信を行っている方です。

今回の勉強会では「イーサリアムスケーリングの背景と概要」というタイトルでスピーチをされました。
speakerdeck.com

内容としては、Plasma以外(Plasma以前という認識でいいのかな?)のEthereumのスケーリング問題に取り組んできたプロジェクトというか技術的要素について紹介しながら、Ethereumのスケーリング問題へのアプローチ方法について説明されていました。
Side ChainやState Channelの概念はbitcoinから続くスケーリング問題の解決方法として結構長い間議論されている手法なのでそこそこ理解はできているつもりですが、ShardingについてはEthereumから出てきた概念(なのかな?自分はそう認識しています)であり、具体的に実装するとしたどうなるんだろう?実際にできるんだろうか?という感覚です。が、今回のスピーチでは、それぞれがブロックチェーンの状態遷移をどうやって最小限としていくのか?」という問題にどういった形でアプローチしているのか?という同じストーリーで説明されていたのでShardingについて以前よりは明確に理解できたような気がします!

三人目: 松本 勇気 @y_matsuwitter

Hi-Ether Meetup - Block #2でもPlasmaについてスピーチされていたGunosy松本さんです。
実は前回のmeetupからさほど日が空いていないのですが、今回の内容はPlasmaのホワイトペーパーを網羅するもので、深く広くカバーされていました。いつも研究やアウトプットのスピード感に圧倒されてしまいます。今回もいつも通りiPadを使ったお絵描きプレゼンで非常にわかりやすかったです。松本さんiPadでお絵描きの人がそろそろ定着しそう。。。(もうしてる?)
今回の勉強会では「Plasmaの概略と可能性」というタイトルでスピーチをされました。
speakerdeck.com

Osuke @zoom_zoomzoさんのスケーリングプロジェクトの取り組みを受けて、ではPlasmaではそれらをどのような形で取り込み、また発展しているのか?そして問題となっているセキュリティーの担保をどう解決しようとしているのか?という部分を参照実装であるplasma-mvpなどを交えて説明されていました。こうやってみるとPlasmaはコンセプトベースではあるもののやはりかなりボリューミーで難解だよなぁと再認識しました。
ですが、DEXの分散化のアプローチなど、具体的にPlasmaをサービスに適用するとどのように変化していくのか?というイメージを共有してもらえたことで今までぼんやりとしていたPlasmaの実態がかなり明確になったように感じました。
松本さんが自分のブログでも今回のスピーチを踏まえてPlasmaについて再度まとめておりましたのでそちらもぜひご覧ください。
blockchain.gunosy.io

四人目: 落合 渉悟 @_sgtn

個人的に日本人のPlasma研究の第一人者だと思ってる方です!アイコンも僕の大好きな攻殻機動隊の素子だったりでよくわからないシンパシーを感じてましたw
海外を飛び回っていた方のようで、英語でのツイートも非常に多いです。
「Plasmaの制約と緩和」というタイトルでスピーチをされました。
speakerdeck.com

落合さんethresear.chでPlasmaの議論にも参加しているとのことで、実際に議論されてたことや攻撃者の視点からPlasmaについて説明していました。
スライドの最初にある通り、「Plasmaを難解たらしめているもの」「その複雑さはなぜ必要か:攻撃者の視点から」「最も効率の良いPlasmaの学習法」の3つについて非常にわかりやすく説明されていました。
現状のplasmaもまだまだ改善点がいっぱいあり、特にmass-exitの方式などは大量のmass-exitが発生した場合結局メインチェーンを停止させてしまう可能性があるなど議論の余地が残っているという話をされていました。
そして、もっと日本人も議論しましょう!と力強くおっしゃっていたのが非常に印象に残りました。英語の議論が活発ですが、日本人がtwitter上などで交わされてる議論も海外の議論に引けを取らないぐらい質が高いので、ethresear.ch上でも日本語で活発に議論していってほしいとのことでした。

まとめ

4名の方が登壇してそれぞれスピーチされていましたが、内容を振り返ると

  • Ethereumの仕組みと現状の説明からスケーラビリティーの問題提起
  • それを受けて、現在までのスケーラビリティーを解決するためのメインテーマとアプローチ方法の紹介
  • そして、そこからPlasmaとしてスケーラービリティーを解決するためにそれらのアプローチ方法をどのように発展していったのか
  • 最後に現状のPlasmaとしてまだまだ抱えている課題はなんなのか?

という全体の流れが一貫していて分かりやすくまた、非常に内容の濃い勉強会だったと思いました。 今回は第1回目ということでPlasmaとは何か?まだまだ抱えている問題としてどういうものがあるのか?という話しで終わった感じがあり、
これはつまりスケーラブルの問題にどのようにアプローチして解決していったらいいのか一緒に考えていきましょうと言われているんだなと強く感じました。